住友ゴム「SPORTMAX α-14」グリップ力がもたらす安心感

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カテゴリー: レポート, 試乗

 住友ゴム工業は1月1日から二輪車用タイヤの新商品「SPORTMAX α-14」(スポーツマックス アルファ14)を発売開始した。新商品はレースレプリカ・ラジアルタイヤ「SPORTMAX α-13」の後継にあたり、“操る楽しさ”をテーマに初心者から上級者まで広いレンジをターゲットに開発。同社は発売に先立ち、昨年11月下旬に筑波サーキットで試乗会を開催した。

製造段階からの新製法を採用

サーキットから街中まで幅広く対応する
サーキットから街中まで幅広く対応する

新商品の開発を担当した住友ゴム工業タイヤ技術本部第二技術部の伊坂航主査は、「ライダーが車体を操る楽しさを支えるというコンセプトで開発した。最も注力したのは接地感、吸収性の部分」と解説する。

「タイヤが硬いとゴツゴツしてどこまでたわんでいるのか分かりにくい。単純にタイヤの剛性を下げるとパンクしたようになってしまい不安定になってしまう」――タイヤをたわませるのと不安定にさせないのは相反する性能だが、新商品ではこの点をバランスさせるため、構造からコンパウンドまで多岐にわたる改良を行った。

その理由は、「人間が不安を感じるのは突然挙動が変わる瞬間。例えば車体をバンクさせた時、剛性が急に変わると強い不安を感じる」ためだ。

SPORTMAX α-14
市街地を走行するSPORTMAX α-14装着車

従来品はバンク角が大きくなる途中で一瞬反力が抜ける“すっぽ抜け感”の後に剛性が増す特性があった。今回は従来品の特性を改善し、全体の性能を向上するため、製法自体を新しくした。

「中間バンクでの剛性を上げるために構造全体を見直し、ベルト張力分布を均一化した新製法を採用した。パターンも改良しバンク中の剛性を緩やかに上げている」

この新製法によってタイヤがバンクさせた時に均一な張力を保つため、中間バンクでの中抜け感を解消できる。

さらに構造自体が強化された分、ビードの設計を変更して従来品よりも小さくしなやかな補強ゴムを採用した。

「反力が増し手応え感も上がっているが、タイヤの変化自体は緩やかになり、ライダーの安心感につながっている」

向上したグリップ力がもたらす安心感

トレッドの構造も改良を加えた。トレッドを5カットから2カットに変更し、センターにはライフ性能とグリップ力を向上した新コンパウンドを幅広に配置。サイドにはより路面に食いつく粘着系グリップコンパウンドを配置した。

ライダーの八代俊二さん
ライダーの八代俊二さん

新商品の印象をライダーの八代俊二さんは、「相対的にグリップが上がっている。カーブを曲がるため車体を寝かせた時の安心感、安定感がある。特にエッジ、タイヤの端のグリップ力がとても上がっている」と話す。

またタイヤ全体の感触として、「従来品は上級者がガンガン飛ばしてもしっかり受け止めてくれるタイヤだったが、その分走りなれない人にはシャープすぎた。新商品はその点が柔らかくなって、バンク時にぐっと路面にタイヤが食いつく手応えを感じながら倒していけるので安心感がある」という。

さらに「タイヤが柔らかくなっているのでギャップの吸収も良く、一般道での乗り心地も上がった」と評価する。

「初心者は安心して乗れるし上級者の攻めの走行も受け止めてくれる、疲れにくいタイヤ」――新製品は今まで以上の広いレンジでユーザーを受け止めるタイヤといえるようだ。

「SPORTMAX α-14」の発売サイズはフロント8サイズ、リア16サイズで価格はオープン。

込めたのはダンロップ魂

原憲悟部長
原憲悟部長

開発についてタイヤ技術本部第二技術部の原憲悟部長は「一言で言うならダンロップ魂」と話す。

「従来品の持つ問題は認識していた。しかしラジアルタイヤの構造上は仕方のないことだと半ば諦めていた。だが工場経験のあるメンバーから製造設備の面からの改良の提案があり、問題点をクリアできた」

1年前にコンセプトとして完成した新製法を早速投入し、誕生したのが今回の「α-14」だ。

「自分たちもバイクに乗る。だからこそ、こういうタイヤはどうだという自信と熱意を持って作り、ライダーに提案していく。込めたのは新技術とダンロップ魂」と開発の情熱を語った。


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