ブリヂストン「技能グランプリ」開催 作業標準と意識が浸透

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カテゴリー: レポート, 現地

 ブリヂストンタイヤジャパンは9月4日、静岡県富士市内で「技能グランプリ」と「生産財セールスマンコンテスト」を開催した。

 技能グランプリは「安全作業徹底と標準化」と「作業の高付加価値化」を目指して2010年に開始。今年は472人が参加し、予選を勝ち抜いた54人が全国大会で整備の知識と技能を競った。

技能グランプリ
2人作業では作業員どうしの連携が重要となる

 1人作業は制限時間19分以内に右前輪のパンクに伴う空気充てんを含むスペアタイヤ交換作業を行う。また事前告知のないトラブルシューティングとして「フロントタイヤのナット1本が緩んでいる」「右リア内側の空気が300kPaの低空気圧状態」の2点が設定された。上位8名が入賞となり、技能エキスパートとして認定される。さらに一定の条件を満たした場合、技能マイスターとして認定を受けることができる。

 2人作業は制限時間27分以内に左右フロントと左リアのローテーション作業を行うもの。作業中に1人が電話応対で一旦離脱するという場面が用意され、声がけや作業の進捗についての申し送りが的確であるかなども審査の対象となる。

 また、今年からは1人作業同様、2人作業の安全性と効率性を追求する中で、個人としてすべての項目を網羅した場合、マイスターとしての審査を受けることができる。現在15人の技能マイスターが認定されており、最年少での取得者は29歳。グランプリ参加者には、優勝以上にマイスターの獲得を目標とする人も多いという。

 今回、1人作業の最優秀賞はブリヂストンリテール長野タイヤセンター大橋の高附健さん。2人作業の最優秀賞はブリヂストンリテール長野タイヤセンター大橋の宮川卓也さんと、ミスタータイヤマン更埴店の稲森浩さんが受賞。高附さんはマイスターの認定を受けた。

 ブリヂストンタイヤジャパンの中道譲専務は、「グランプリ開始当初は各店独自のやり方があり、標準作業の浸透に苦労した。しかし現在は、顧客と作業者両方の安全のための作業標準が安全意識とともに浸透した」と話す。

 また「この活動は現場の独自の工夫や技術を吸い上げ、広く反映するための場所でもある。参加者はさまざまな工夫を持ち込むため、良いと思ったものについては検討してすぐに反映していく。6年間でグランプリから取り入れた作業テクニックはいくつもある」と語った。

セールスコンテストも開催

 昨年から始まったセールスマンコンテストは、今年は全国予選を通過した16人が頂点を競った。コンテストでは、「メンテナンスの価値」や「適正なメンテナンスによるトータルコスト削減」を顧客の課題に応じて提案できるかがポイントとなった。

 参加者は「全国200台保有の新規大手優良ユーザー」「ブリヂストンのシェア100%、地場50台保有の自社メンテナンスユーザー」「ブリヂストンのシェア20%、70台保有の劣勢ユーザー」の3つからシチュエーションを選択。その上で顧客の課題の聞き出し、的確な提案や次に繋がるクロージングができているかを採点する。

 最優秀賞はブリヂストンタイヤサービス東日本ひろさき店の山内友貴さんが受賞した。

 ブリヂストンでは現在、新品タイヤとリトレッド、メンテナンスの3つを提供するトータルパッケージプランを推進している。同グランプリとコンテストはその中でもメンテナンスの訴求にフォーカスしているのが特徴。

 今までタイヤ販売に付随するサービスという位置づけになりがちだったメンテナンスを、高付加価値なサービスとして提案していくには、技能の向上と提案力の強化は欠かせない。

 これまでの取り組みによって作業品質が向上したことにより、2016年上期はトータルパッケージプランの契約獲得数も519件と急増している。

 同社は今後もさらなる技術の向上とともに、訴求力を強め、販売からメンテナンスまで顧客に価値をアピールしていく。

関連:安全な点検整備を タイヤメーカーが整備技術のコンテスト開催


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