「GEOLANDAR A/T G015」オンでもオフでも高い性能を

シェア:
カテゴリー: レポート, 試乗

 横浜ゴムは6月中旬、SUV用タイヤブランド「GEOLANDAR」(ジオランダー)の新商品「ジオランダー A/T G015」の試乗会を日本自動車研究所城里テストセンターで行った。発売は8月1日から。発売サイズは195/80R15 96Hから285/60R18 116HのLTサイズを含む27サイズ。

「GEOLANDAR」誕生から20年の進化

 ジオランダー誕生20周年を記念する商品となる「A/T G015」は、「A/T-S」の後継。トレッドパターンとコンパウンドを一新し、従来品から耐摩耗性能を17%、ウェット制動性能を4%、パターンノイズ性能を22%、ロードノイズ性能を11%向上させた。

オンロードでは静粛性と乗り心地の良さを発揮する
オンロードでは静粛性と乗り心地の良さを発揮する

 今回の試乗会でハンドルを握ってくれたモータージャーナリスト日下部保雄さんのコメントを交えながらインプレッションを紹介する。

 まず外周路で一般道を想定した走行を行った。オフロード向けのタイヤとしては走行中のノイズが少なく非常に静かで、同乗者からも驚きの声が上がった。後部座席でもうるささはなく、オンロードでの快適性、静粛性の向上を実感させた。

 「パターンノイズがだいぶ抑えられていて、こもり音がない。高速で走っていても耳障りな“ヒューン”という高音域のノイズが増えにくい」

 今回トレッドの周方向には、異なる大きさのピッチを配置している。これによって周波数のピークを分散させ、パターンノイズを低減した。また、このブロックピッチの配置は、ノイズ低減だけでなく同時にブロックへの負荷を分散して偏摩耗を抑制し、耐摩耗性も向上している。

 外周路でのレーンチェンジやコーナリングでも、オンロードでの乗り心地の良さが発揮された。

 「ブロックの大きいタイヤは応答性に遅れが出やすいが、高速でも反応がいい。手応え感も締まっていて、車体の揺れが少ない。操舵遅れがあると余計なハンドルの切り回しをしてしまうが、最初からすっと曲がってくれるので、無駄な動きをさせずにすむ」

 余分なハンドリングが抑制されることによって車体が大きく振り回されず、後部座席でも揺らされる感じが少ないので、快適に過ごすことができる。

 これはオレンジオイルを配合した専用コンパウンドの構造を採用し、さらにプロファイルを最適化したことで、オンロードでの高速走行時に安定感を与えているためだ。

オフロードでもスムーズな運転が可能
オフロードでもスムーズな運転が可能

 アウトドアシーンを想定した悪路コースでは、そのグリップ力が真価を発揮した。

 荒れた坂道での発進でも、しっかりと路面を噛んで車体を押し出し、地面を蹴る。砂利道でのカーブも、ブロックが路面を踏み固めて強くグリップするため、車体が大きく滑ったり外に膨らむことなく、スムーズに方向を変える。

 「タイヤが柔らかい感じで、ひとつひとつのブロックが路面を掴んでいる。最初の蹴り出しもいい。悪路でもステアリングのセンターからの切り出しがスムーズで、車体が滑っても修正がとても楽になっている」

 これは3種のポリマーを配合してオフロード特有のカット&チッピングに対して耐久性を上げた専用コンパウンドと共に、新開発の「アグレッシブ・パターン」による。“攻め”の意志を刻んだパターンは、特にショルダーのラグ溝部分での接地性を向上。より地面を強く蹴り出す構造になっている。

 また、デザインを一新したショルダー部は、サイドの耐久性と共に、荒れ地でのトラクション向上に貢献している。

 オンロードでは静粛性と優れた走行性能を、オフロードでは高い走破性能を発揮しながら、全体的な快適性も向上している。さらに浅雪での性能も高く、スノーマークを獲得している。

 「ブロックが欠けない剛性を保ちながら、音も良く、燃費も良くとなるとかなり大変。このタイヤはその上で、さらにスノー性能を向上させている。さまざまな相反する性能のバランスを上手くとっているといえる」

 ジオランダー誕生20周年にふさわしい性能を持つ「A/T G015」は、PCパターンとLTパターンがある。特にLTパターンは荷重に配慮したさまざまなチューニングが施され、サイドウォールもホワイトレターになっている。

 幅広い規格に対応し、用途にあわせて選択の自由度が高く、見た目の力強さとともに、走りが楽しくなるタイヤといえる。


[PR]

[PR]

【関連記事】