タイヤプロ糸魚川 「地域密着」にこだわる理由

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カテゴリー: ディーラー, レポート

 株式会社髙瀬商会(新潟県糸魚川市)および関連会社の新潟トーヨー株式会社(新潟県長岡市)が新潟県内に展開する「タイヤプロ」は生産財タイヤをメインに扱うタイヤ販売店。高いサービス力により地域の運送会社やバス会社の安全運行に貢献してきた。その中のひとつ「タイヤプロ糸魚川」では、地域との結びつきをより強固なものにすべく活動を進めている。また今後は同じグループである「イエローハット糸魚川店」との人材交流を活発化させ、厳しさが増す時代を乗り越えていく。

 「タイヤプロ」は、元々は東洋ゴム工業が展開した販売店だが、現在は新潟トーヨーが県内に6店舗、髙瀬商会が糸魚川に1店舗、さらに別のタイヤ専業店が1店舗を運営しており、8店舗がそれぞれ地域に根ざした営業を展開している。店舗の看板に“タイヤのことなら何でもおまかせ”と掲げているように乗用車用から大型タイヤまであらゆるニーズに対応する。

 「タイヤプロ糸魚川」の場合、リトレッドタイヤも含めて生産財の売上構成比が高く、トーヨータイヤを中心にミシュランなども販売している。店舗の営業開始は2006年。タイヤ販売は生産財の新品タイヤが年間約3500本、リトレッドは1500本から1600本。約1000平方メートルの土地に大型車両2台と乗用車1台を同時に収容可能なピットと大容量の収納スペースを確保した倉庫、ショールーム兼事務所が併設されている。

高瀬吉洋社長(左)と倉又幸成部長
高瀬吉洋社長(左)と倉又幸成部長

 髙瀬商会の高瀬吉洋社長は、「我々は地域密着を重視している。地元の企業との付き合いを深めて注文を頂く。そこを怠らないことが大切だ」と話す。近隣には他の大手タイヤメーカーの販売会社もあり、競争は激しい。こうした中、顧客との信頼関係構築の必要性は以前にも増してきている。

 「売上げは営業担当者の責任、採算は社長の責任だと言っている。こちらから価格を引き下げるようなことはしないが、会社を守るために対抗措置を取らざるを得ないこともある。それを含めてトータルで採算を取るのが私の責任。ただ、きちんと営業活動をしていれば他社の情報も入ってくるわけで、営業として顧客から情報を掴んでこないのは許さない。だからこそ地域に密着することはより重要となる」

 一方で「タイヤプロ糸魚川」の責任者で髙瀬商会糸魚川営業部の倉又幸成部長はサービス面での差別化に注力する。

 「地域密着はもちろんのこと、メンテナンスサービスだけでもきちんと収入を得られる体制づくりをすることが重要となってくる。タイヤプロと名乗っているからには、タイヤに関することは絶対に負けないようにしていく」と意気込む。

イエローハットとの人材交流を

 さらに髙瀬社長は「イエローハットとタイヤプロの2店舗で糸魚川をテリトリーとした商売に力を入れていく」と今後の方向性を示す。

 髙瀬商会では、同じ市内に「イエローハット糸魚川店」を運営しており、個人客向けの販売はこちらの店舗が主に受け持つ。「これまでは2つの店舗での交流は限定的だったが、お互いにフォローしながら一体となって運営していきたい。イエローハットは土日にお客さまが多く、タイヤプロは平日が忙しい。売上げと経費のバランスを取りながら回していければ」

 地域の景況感は、昨年3月の北陸新幹線の開通後、「土建関係の仕事も平常時に戻った」という声が聞こえてくる。また乗用車も保有台数の減少傾向や軽自動車の増加によるタイヤの小径化が進み、これからは全体のパイが減っていくことは避けられない。

 こうした中、髙瀬商会では生産財と消費財――2つの業態が持つメリットを有効活用しながら地域密着をより強固なものにしていく。


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