日本グッドイヤー「ICE NAVIZEA II」

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カテゴリー: レポート, 試乗

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安全性能を向上。あらゆる冬道に対応する

 日本グッドイヤーは乗用車用スタッドレスタイヤの新商品「ICE NAVIZEA II」を発表し、8月1日から順次発売を開始した。新商品は氷上グリップ性能をはじめ、雪上性能やドライ性能、耐摩耗性能を同時に向上。あらゆる路面で優れた性能を発揮するスタッドレスタイヤへと進化させた。発売サイズは13インチ~18インチの全69サイズ。同社は1月、北海道の十勝インターナショナルスピードウェイとその周辺の一般道路で「ICE NAVIZEA II」の試乗会を行った。

 日本グッドイヤーによると、「ICE NAVIZEA II」は日本特有の冬道環境、温暖化現象による降雪量の変動や、ドライブスタイルの変化、ドライバーニーズの多様化を多角的に分析し開発した。その結果、次の新素材・新技術を搭載している。

 コンパウンドには、従来のミクロのガラス繊維に加え新たにイオン結晶体を配合した「コンビネーショングラス」を新採用。ミクロレベルでのひっかき効果を高めることで、氷上グリップを向上させた。また水膜を弾く「撥水シリカ」、路面追従性に優れる「バイオフィラー」に加え、「ロングライフポリマー」を採用。この「バリュートレッド」により、グリップ力と路面追従性、操縦安定性をアップさせながら、耐摩耗性を向上。ロングライフを実現した。

 パターン構成は、従来は5リブ構造だったものを今回4リブ構造とした。それによりランド比を3%、エッジ成分を5%、それぞれアップさせることで、氷雪上性能を向上させた。また、周方向には「コーナーグリップサイプ」を新採用し、氷上でのコーナリング性能を向上。トレッドの全ブロックに波状のエッジを刻むことで、使用初期から確かなエッジ効果を発揮する。

 さらに、パターン剛性について、ショルダー部の剛性をアップし横方向の剛性を30%アップさせることで、コーナリング時の安定感を向上させている。

制動距離を大きく短縮

 今回のプレス試乗会では、十勝インターナショナルスピードウェイの各コースと周辺の一般道路を利用し、新旧商品を比較しながら性能評価を行なった。

 十勝SW西コースでは、アリオン4WDをテスト車両に使用し、登坂路走行性能を評価した。気温はさほど上がらず、氷雪路の表面が融けるような状況ではない。坂の途中からクルマを発進させる。最初のひと転がりのときに、「ICE NAVIZEA II」では路面がきしむような感触がハンドルを伝わってくる。

 直進路で速度を上げると、やがてカーブに差し掛かる。下り勾配でのコーナリング。冬道でもっとも気を付けなければならない場面だ。ブレーキを踏み減速させながら、ハンドルを切る。思い描いていた速度、思い描いていたライン取りのままにカーブを過ぎた。

 十勝SW東コースには氷盤路がつくられ、そこでカローラフィールダー2WDを使用し、氷路走行性能を評価。制動性能は、「ICE NAVIZEA II」が現行品よりも手前で停止した。実測はしなかったが、その距離は窓越しから見る目標物に対しクルマ1台分ほどだ。同社の発表資料によると、氷路ロックブレーキテストでは、制動初速度30km/hで、現行品の制動距離が41.2mに対し、新商品は36.5mと、4.7mも短縮させている。

 またスラローム走行を行ったところ、ハンドルの切る量、車体を立て直すための切り返しが楽になっている。横滑りが抑えられた証だろう。

 十勝SW中央コースでは、カローラフィールダー2WDで圧雪路走行を評価した。ただ、どうなのだろう。スタッドレスタイヤの雪路走行性能はキャパシティいっぱいまで上がっているのではないか。新旧で性能に大きな差があるようには思われなかった。

 圧雪路面よりも、コース外の乾燥路面をアリオン4WDで走ったときの方が、進化を理解することができる。現行品にブロックのサイプを深さ方向へジグザグ状の三次元に刻んだ「ZEAブレード」を採用している。ブロック剛性を高め、ドライ路面での操縦安定性を向上させるのがそのねらいだ。

 「ICE NAVIZEA II」でもそれは継続して採用しているのだが、路面から伝えられるゴツゴツとした振動やノイズがより抑えられていると感じられた。これはおそらくパターン剛性の配分を変更したことに由来する。

 ウィンタードライビングにおいて、氷上性能の確保は絶対条件だが、トータルで考えると、走行距離や時間で占める割合の高いのはドライ路面かもしれない。そのときの安定性や快適性、加えて経済性が大きく問われよう。「ICE NAVIZEA II」は、そのバランスを絶妙に整えたと言える。


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