横浜ゴム「ADVAN dB」

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カテゴリー: レポート, 試乗

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横浜ゴムのプレミアムコンフォートタイヤ

 横浜ゴムはこのほど、コンフォートタイヤのフラッグシップモデル「ADVAN dB」を発表した。静粛性と乗り心地で定評のある「dB(デシベル)」が、これまでの「DNA」ブランドからグローバル・コンセプトの象徴である「ADVAN」ブランドに移籍。環境性能を併せ持つ新時代のコンフォートタイヤとしてデビューした。7月から18~15インチ、45~65シリーズの15サイズを先行発売する。発売に先立ち6月16日、茨城県久慈郡大子町にあるテストコース「D-PARC」で試乗会を行った。

ADVAN dB 「ADVAN dB」は“POWER of SILENCE”がコンセプト。静粛性とウェット性能を保ったまま、転がり抵抗を低減することに開発の主眼を置いた。具体的には、非対称トレッドパターン、新ラウンドプロファイル、マイクロシリカコンパウンドを採用。静粛性と操縦安定性、滑らかな乗り心地をバランスよく実現しながら、転がり抵抗は従来比で3.1%低減した――同社PC第1設計部商品設計1グループリーダーの斉藤賢介さんは解説する。

 試乗会では、「ADVAN dB」のウェット路、高速周回路、乗り心地路での性能評価について、従来モデル「DNA dB ES501」との比較で行なった。なおテストは、モータージャーナリストの日下部保雄さんのドライブによる同乗形式とした。

 ウェット低ミュー路では水深数ミリの水たまり路面を走行。車両はトヨタ・クラウン2.5ロイヤルサルーン(タイヤサイズ215/55R17)で、横滑り防止装置が標準装備されている。「ES501」では装置作動を示す警告音がかなりの頻度で鳴ったが、「ADVAN dB」ではあまり鳴ることがなかった。装置がオフの状態では、スロットルペダルを踏み込む度にタイヤが空転してドリフト状態となり、しきりにカウンターを当てる必要がある。この雪道走行と同じような不安定な状態でも「ADVAN dB」は、ゆっくり目のカウンターをあてるだけで十分立て直しが可能だった。ウェットグリップ性能が確実に向上している証左といえる。

定評の静粛性に“しっかり感”をプラス

 ウェット旋回路では実際にハンドルを握った。テスト車両はトヨタ・マークX250G(215/60R16)。半径30メートルのスキッドパッドを時速50~60kmで時計回りに旋回する。ここでも「ES501」では終止ふらふら感がついてまわり、自分の意思通りに制御がついていかず、スピンに至ることが何度もあった。だが「ADVAN dB」ではふらふら感をあまり感じず、ステアリング操作に対して忠実に反応があった。同時に速度域を高めにキープすることができ、滑り出してスピンに至る限界速度も上がっているように感じた。総じて自分の意志でコントロールできるマージンが広くとられている印象だった。

 高速周回路は複数の車両でテストした。1台目は新型メルセデスベンツ・E350アバンギャルド(245/45R17)。従来、ヨーロッパ車はハンドリングや直進安定性などの動力性能を重視する代わりに、音に関してあまりシビアではなかった。だが近年は、乗り心地や静粛性も要求されており、タイヤが担う役割も多岐にわたってきている。

 走り始めて、速度を時速60kmにキープして騒音を確かめてみる。装着タイヤの偏平率が45と、決して騒音に対して有利なサイズではないのだが、低周波音が見事に抑えられている。速度を時速120~140kmまで上げてみても、静粛性が十分確保され、前席と後席の間で普通の声量で会話ができるほど。

 ステアリングを握る日下部さんに、ハンドリングの印象を聞いた。「セダンの場合、スポーツカーと違ってステアリングを切った時に過敏な反応があると、乗員が疲れてしまう。クイックに過ぎず、かといって、挙動が遅れることもなく適度なしっかり感をキープしている。直進時も手ごたえ感があり、ステアリングから手を放しても、絶えず修整を施す必要がない。長距離運転しても疲れにくいタイヤと言える」。

 車両をニッサン・ティアナ350XV(215/55R17)に乗り換える。時速60kmで騒音を確かめてみると、ロードノイズよりも車体の風切り音の方が目立った。FF車との相性について日下部さんは「フロントが重いFF車の場合、タイヤが弱いとロールが大きくなり、挙動が不安定になる。でもADVAN dBだとロールをした際の収束が良いため、安定した走行ができる」と評価した。

 トヨタ・マークX(225/45R18)では、新旧モデルの相対評価を行なった。「ES501」では高速だとバンプした感じが残る部分があるが、「ADVAN dB」はロールの収まりが良く、しっかり感につながっている。実際、時速140~160kmで急激なレーンチェンジを繰り返したが、スキール音が出ることなく、挙動がふらつくこともなかった。

 乗り心地路では、NVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)について「ES501」との乗り比べを行なった。テスト車両のトヨタ・クラウン2.5ロイヤルサルーン(タイヤサイズ215/55R17)は静粛性の高いクルマなので、タイヤの違いを比較するにはうってつけの車両だ。

 まず「ES501」で段差路面を進む。従来モデルは、静粛性・乗り心地に関してトップクラスの定評を得ているだけあって、段差を越えた時の突き上げが柔らかい。これに対し「ADVAN dB」では、突き上げ感がさらにマイルドになっていた。これについて日下部さんは、「段差乗り越しの最初の所では、あたりの良さでES501の方が良い印象。しかしADVAN dBは、上下動の収束がぴたっと止まってしっかり感がプラスされている。長時間乗った時に疲労が違う」と評価する。

 試乗を通して何度も聞かれたキーワードが「しっかり感」。3世代にわたって続いてきたdBブランドの静粛性・乗り心地をそのままに、ADVANが30年以上にわたって培ってきたパフォーマンス性能がプラスされた。ハイパワーの高性能ラグジュアリーセダンが増えてきた今の時代に即したタイヤといえる。


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