住友ゴム工業 「ENASAVE RV503」

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カテゴリー: レポート, 試乗

ダンロップファルケンのミニバン専用タイヤ

 ダンロップファルケンタイヤは、ミニバン専用タイヤの新商品「ENASAVE RV503」を上市し、2月から発売を開始した。「ENASAVE RV503」は、環境タイヤ開発で培った低転がり技術をミニバン用タイヤにフィードバック。転がり抵抗を従来品比約20%削減し低燃費性能を追求した。発売サイズは185/70R14 88H~245/40R19 98Wの70シリーズ~40シリーズ、14インチ~19インチの全37サイズ。同社は「ENASAVE RV503」の発売を機として2月25日、岡山県の住友ゴム岡山タイヤテストコースを舞台に試乗会を行った。

ENASAVE RV503
ENASAVE RV503

 「ENASAVE RV503」は、「ミニバンタイヤに低燃費という環境性能」をコンセプトに開発されたミニバン専用低燃費タイヤ。

 低燃費化を図ること、すなわちタイヤの転がり抵抗を低減しようとすると、背反性能であるウェット性能が低下してしまうおそれがある。そこでダンロップファルケンタイヤでは、低燃費技術と石油外天然資源タイヤ「ENASAVE97」で培った技術を投入。グリップ力と強度確保のために不可欠な合成ゴムに「末端変性SBR」を採用することで、高いグリップ性能を損なうことなく不要な発熱を抑制させた。

 一方、発熱が少なく転がり抵抗に優れるもののグリップ力が不足する天然ゴムについて、分子レベルでエポキシ基を加えた「改質天然ゴム ENR」を採用。天然ゴムの低い転がり抵抗を損なうことなく高いグリップ性能を確保した。

 この「末端変性SBR」と「改質天然ゴム ENR」による「RV503用コロエネゴム」を採用することで、「ENASAVE RV503」は低転がり抵抗を維持しつつ優れたウェット性能を確保した。同時に、タイヤコンパウンドのベース部に「天然ゴム NR」を採用することで、ベース部からも発熱を抑制し転がり抵抗の一層の低減を実現している。

 さらに、すべてのサイズでプライ構造をチューニングし、車両に合ったプライ構造を採用。タイヤの外側と内側とで機能を分担させた「非対称パターン」を採用し、ふらつきや偏摩耗といった特にミニバンに見られがちな現象を高次元で抑制した。また、タイヤ開発にあたっては、新シミュレーション技術「パターンノイズシミュレーション」と独自のノイズシミュレーション技術である「パターンシフトシミュレーション」「デジタイヤカオス配列」を駆使。ノイズを低減し、ミニバンユーザーが求める高い静粛性を確保したとしている。

静粛性・乗り心地と高速スタビリティを高次元で両立

スキッドパッド路を走行
スキッドパッド路を走行

 試乗会では「RV503」の操縦安定性を中心に、ウェット性能や静粛性の性能評価を行なった。ホンダ・オデッセイ(215/60R16 95H)や日産・エルグランド(215/65R16 98H)など、代表的なミニバン9種10車をテスト車両として使用。評価にあたっては、モータージャーナリストの早津美春さんにドライバー役をお願いし同乗走行形式としたほか、一部の車両については本紙記者も実際にハンドルを握った。

 敷地面積100万平方メートルという屈指の規模を誇る岡山タイヤテストコースの名物、バンクのないフラットな150Rの第1コーナーと110Rの第2コーナーとを結ぶ1周3.2kmのオーバル型周回路を走る。「ハンドルに伝わる手応えが良い」というのが、早津さんの第一印象。路面からのアナウンスが正確に伝わってくるという。

 時速80km~100km程度の中速~高速コーナリングを行なうと、車高が高く高荷重のミニバンではGの影響を受けやすく車体をステアリングで微妙に修正しなければならないが、「ENASAVE RV503」の場合、そのような修正を行なわなくてもスキッとコーナーを曲がることができる。高速走行中のレーンチェンジ時、小さな蛇角での応答性も良い。これらの操縦性について、早津さんは「ハンドルを切ったときのキレが良く収まりが早い。手応えと挙動のバランスが良い」と高く評価する。

 ハンドリング路で高速サーキット走行を行なったときも同様の評価だ。連続するS字カーブを高速で駆け抜けるが、早津さんの思い描くライン取りを「ENASAVE RV503」は正確にトレースしていく。

 一方、スキッドパッドでは、ウェットコンディションで円旋回を行ない、ウェット性能を確認する。μ(ミュー)が低い路面で速度を上げると、グリップを失ない車体のコントロールが利かなくなるが、「ENASAVE RV503」はそのような状況になるまでのマージンが多い。

 転がり抵抗の低減を図るため、「ENASAVE RV503」には天然ゴムを使用しているので、グリップ力がどのくらいのレベルをキープしているのかが一番の関心事だったが、早津さんのドライビングを通じて想像以上に性能の高さを感じ取れた。

 一方、ノイズに関しては、ホンダ・ステップワゴン(205/65R15 94H)を使用し、新商品と従来品(LE MANS RV502)とで比較評価した。

 振動に関しては、大きな突起での乗り越しの際、当たりが柔らかく感じられた。静粛性については、従来品が静粛性を大幅に向上させていることもあってか、運転席ではその違いをはっきり聞き分けられることができなかった。ただ、キャビンの広い後部シートのポジションでは、低い音の響きが抑えられているように感じられた。ちなみに、同社の実車実験では時速60km走行時で0.6dB向上したとしている。

 早津さんは「ミニバン用タイヤと銘打っているが、スポーティタイヤのようなグリップ性能、応答性を持っている」と評価する。「ENASAVE RV503」が環境配慮型タイヤでありながら、そのポテンシャルの高さを証明する表現だと言える。


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