タイヤガーデン カツヤマタイヤ「あったら良いのに」を実現する

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カテゴリー: ディーラー, レポート

 タイヤガーデン カツヤマタイヤを運営するカツヤマタイヤ。開業は1965(昭和40)年で、先に創業満50周年という大きな節目を迎えた。現在、店長を務める塩見勉さんは2代目である。地域密着型の店として、顧客ファーストの視点で事業に取り組み続けている。

商売の基本は顧客ファーストの視点

 タイヤガーデン カツヤマタイヤの所在地は大阪市鶴見区緑4-3-43。1990年に開催された「国際花と緑の博覧会」、通称・花博のメイン会場となった鶴見緑地は店からすぐ近く。梅田新道を起点として三重県津市へと至る国道163号線沿いに面しており、1日中、クルマの交通量は多い。そのロードサイドに同業のタイヤ販売店をはじめ、自動車整備工場、カー用品店など自動車タイヤを取り扱う企業の出店が集中するのも道理だ。

タイヤガーデン カツヤマタイヤ

 鶴見区はまた、大規模な集合住宅が次々と建つ住宅地。そのためタイヤガーデン カツヤマタイヤの周辺には学校、病院・医院など区民の生活に密着した施設や店が数多く建ち並ぶ。そのようなエリアで創業50年を越える歴史を持つのはこの店の大きな強みの一つ。

 塩見さんによると、エリアには競合する企業はあるが、商工組合の事業などを通じて横のつながりが良くとれているので商売のペースが乱されるようなことも多くはないという。地元で古くからその名が知られていることから、先代からの顧客、さらにはその客からの口コミによって新規の客が訪ねて来るという。

 あるいは次のようなケースも――。長くこの地に住んでいた顧客が四国に転居した。その客が今もはるばる来店するというのだ。「人の縁、人とのお付き合いを大事にしたい」という塩見さんの姿勢がそこに見てとれる。このような老舗店ならではのアドバンテージを活かし着実に成長を続けている。

 店の敷地はおよそ90坪。通りに面している部分(間口)が横に長く、奥行きは逆に短い。言わば三角形のような敷地だが、店舗、商品の陳列スペース、作業場などのレイアウトが巧みに配されているため、狭さといったものは感じられない。

タイヤの交換作業を行う塩見さん

 それはピットスペースにも同じことが言える。この日の取材中、来店客が立て続き、それぞれが軽自動車、トラック、大型SUVと、異なる種類のクルマで乗り付けた。ピット作業場で、塩見さんをはじめスタッフが流れるように作業を行う。機能性を重視したレイアウトにより、高い作業性を実現している。

 店にタイヤガーデンの名前を冠しているので乗用車用タイヤ専門店と思われそうだが、TBタイヤやLTタイヤの扱い量も結構多い。「台数にしたら半々くらい」(塩見さん)だそうだ。大型車専用のタイヤチェンジャーやTB用タイヤに対応するホイールバランサーを完備。地域の法人や運送会社、バス事業者などのトラック・バス用、産業車両用タイヤのサービス、メンテナンスにあたっている。

 タイヤガーデン カツヤマタイヤが現在、力を入れて取り組んでいる事業が2つある。1つは「タイヤ保管サービス」、もう1つは「レンタルスタッドレス」である。特に「レンタルスタッドレス」は非降雪地区である大阪・鶴見の地域特性にぴたりとはまったサービス。顧客からも高く支持されており、冬シーズンにおける事業収益を押し上げるほど、着実に成長しているという。店内のPOPに「レンタルスタッドレスのカツヤマタイヤ」とのキャッチフレーズが躍っており、このサービスが顧客に浸透し、競合店との差別化につながっていることがうかがい知れる。

効率的なレイアウトの作業スペース

 塩見さんによると、「タイヤ保管サービスもレンタルスタッドレスも、もともとはお客様から『こんなこと、できないか』『こんなサービスがあったら良いのに』と言われたことから始めたもの。スタートするまでは制約や問題もあったが、アイデアを練って工夫をすることで解決できた」そうだ。

 お客様が求めること、それをどうすれば実現できるか――塩見さんは顧客ファーストの視点で対応することを第一義としている。

 「物心がついた時分から、気付いたらタイヤレバーを握っていました。だから職歴は40年以上」、塩見さんはそう洒落のめすように話す。だがその通り、塩見さんにとってこの仕事は“天職”と言っても差し支えないだろう。

 そのような話をしているさなかに女性の来店客が。聞けば、つい先日、中学時代の同窓会があり、そのときに再会を果たした元クラスメイトだそうだ。塩見さんがタイヤ店を運営していることを知り、自家用車のタイヤ交換をしに来たという。

 このようなこともきっと人の縁が成せる業(わざ)なのだろう。あるいは塩見さんが口にする「人間力」かもしれない。


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