試乗レポート ダンロップの想いをカタチにした「エナセーブEC204」

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カテゴリー: レポート, 試乗

ENASAVE EC204

 住友ゴム工業は3月19日、観音崎京急ホテル(神奈川県横須賀市)とその周辺道路で、2月に発売した乗用車用タイヤの新商品「エナセーブEC204」の試乗会を開催した。「エナセーブEC204」は、同社が“より最後まで使える長持ち”と謳う高いライフ性能を実現しつつ、従来のスタンダードタイヤと比べて静粛性や運動性能も大きく向上させたのが特徴だ。

ユーザーを基準にした“ダンロップの想い

 今年は、ダンロップ創業者のJ.B.ダンロップが空気入りタイヤを実用化してから130年目となる。そのような節目にあたって増田栄一執行役員(タイヤ国内リプレイス営業本部長)が語るのは、「お客様に安全に長くタイヤをお使い頂きたい」という“ダンロップの想い”だ。

 「エナセーブEC204」は、その想いを形にした新商品。スタンダードゾーンでは珍しい非対称パターンの採用などで、従来品(エナセーブEC203)からトータルライフを16%向上させた。

 西実副社長は「EC204」について、「“性能を実感できる”というコンセプトは『LE MANS Ⅴ』(ル・マン・ファイブ)と変わっていないが、新商品はスタンダードゾーンなので狙う所が違う」と語る。

非対称パターンを採用

 今回のターゲット性能はロングライフだ。これはゴムを硬くしたり、減りを少なくしたりすることではない。一般的に早く摩耗しがちなタイヤ片側の減りを抑制したのが大きな特徴となる。

 同社によると、タイヤの摩耗エネルギーの分布は旋回時、ショルダー部に偏ってしまう。ショルダー部が摩耗すると、スリップサインに達する前にタイヤを交換しなければならない。

 開発を担当したタイヤ技術本部第一技術部の若杉将史さんはその現状を「もったいない」と考え、旋回特性に着目した。

 というのも、ハンドルの切り始めからすぐに旋回力が発生すると、ハンドルの舵角量が小さくなるためだ。旋回時でも、舵角量が小さい場合はショルダー部の接地圧が小さくなる。

 そこで高い旋回特性に向けて、従来品比で4%アップしたランド比と、アウト側の剛性を高めた非対称パターンを採用。耐摩耗性能を4%、耐偏摩耗性能を16%向上させた。

さらに、「お客様に伝わりやすい静粛性能の向上に努め」(若杉さん)、接地形状を「EC203」より丸くすることでタイヤの振動を抑制。ロードノイズを15%、パターンノイズを21%低減した。

優れた静粛性と運動性能を実感

評価をしてくれたモータージャーナリストの瀬在仁志さん

 試乗は、荒れた路面やスムーズな路面などがある一般道で実施した。今回は日産「リーフ」による絶対評価と、トヨタ「プリウス」を使った「EC204」「EC203」「ル・マンⅤ」の相対評価を行った。なお、評価はモータージャーナリストの瀬在仁志さんに担当してもらった。

 最初に感じたのは「EC204」の静粛性だ。一般のドライバーにも、「EC203」よりロードノイズが抑えられていることが明らかだった。

 サイレントコアを搭載した「ル・マンⅤ」に比べると、ノイズは多少気になる。ただ、電気自動車のリーフに試乗すると、車の静かさを邪魔することがない高い静粛性がはっきり分かる。瀬在さんも「音に対しては、リーフの良さをきっちりと出している」と話す。

 さらに、瀬在さんは「従来品よりしっかり感が出て、運動性能が上がっている」と指摘する。――ここで指しているのはスポーツ性能の高さではなく、“正確に動く”という走りの性能だ。

 「従来だと、快適性は良くても、柔らかいため動きが鈍いところがあった」。だが、新商品は「今までより、はるかに思った通りの走りで、当たり前のことを素直にやってくれる」と印象を語る。動き始めでも手応えが“グッ”と上がってくれるのだ。さらに「ハンドルを切ったら、すぐにタイヤが反応する」という一体感のある走りも実現している。

 ここでポイントとなるのは、「スポーツタイヤと違って適度にたわんでくれるので、従来の快適性はそのままに進化している」という点だ。運転席や後部座席でもゴロゴロした硬さは感じなかったため、乗り心地の高さは間違いないだろう。

 同社が日本一の定番商品を目指して開発した「エナセーブEC204」。「スタンダードゾーンでありながらコンフォートタイヤに決して引けを取らない運動性能を満たしたという意味では大変に革新的」――瀬在さんはこのように新商品を評価した。

 加えて、一般ドライバーにも分かる優れた静粛性やロングライフの実現は、ユーザーに対する新商品の大きなアピールポイントとなるだろう。


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