【小野谷機工】「ウェイトヒーター装置」「ブースターエアジャッキ」を新発売

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カテゴリー: レポート, 整備機器
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 タイヤ整備機器をはじめ更生タイヤ製造や廃タイヤ処理の機器・システムの国産メーカー、小野谷機工(福井県越前市、三村健二社長)。“タイヤ業界に貢献できる商品をお届けする”ことをモットーに、機器の開発に取り組む。

 タイヤ整備作業の現場で聞かれるユーザーの声、それこそが同社新商品の企画・開発のベース。「この作業のときにこんな機能が備わっていたら」「この部分がより使いやすくなれば」「このときの速度がもっと速くなれば」――同社の新商品はそのような“ユーザーボイス”を開発コンセプトとして具現化することに努めている。この10月から本格販売を開始した2種の新商品もそう。創意工夫を凝らしたアイデア溢れる新機能は“ユーザーボイス”から生まれている。

ユーザーの声から生まれた新機能

 商品開発部機器商品開発部の三田村さん
商品開発部機器商品開発部の三田村さん

 商品開発本部機器商品開発部の三田村廣大さんが紹介するのは、ホイールバランサーのオプション機能、ウェイトヒーター装置「BH-40」だ。取材当日は上級ホイールバランサー「DYNAMAX B1-ST Luce」(ダイナマックス ビーワン・エスティー ルーチェ)に後付けで搭載したもの。

 このウェイトヒーター装置は、今年の「第35回オートサービスショー2017」に参考出品された。オートサービスショーモデルとして開発した低速回転測定のホイールバランサー「ダイナマックス K‘s―1AR Wルーチェ」の新機能として、同社が強く訴求したものだ。

 三田村さんは「寒冷地でタイヤ・ホイールのバランス作業を行うときに、気温が低いためにバランスウェイトの接着性が悪く接着するまでに時間がかかる、あるいは接着してくれない、そんなお客様の声をよく耳にします」という。外気に触れるピット場で作業を行うので、ウェイトの接着面にある粘着テープが硬化してしまい、本来の機能を果たさないのだ。

 そのような場合、作業者が指の腹で擦るなどして温めることでしのぐのだが、それでも真冬のピットで氷のように冷たくなったホイールにウェイトがくっつかなかったり、せっかく付いてもすぐに剥がれてしまうケースが多々あると聞く。

ホイールバランサーに後付けされた「BH-40」
ホイールバランサーに後付けされた「BH-40」

 「BH-40はスイッチを入れるだけで、ケース内が40℃に保たれます。社内試験の実測データでは、気温2・5℃でスイッチをオンにすると、約5分で40℃となります」という。ケースには断熱材を施したカバーがあるので、外気温に影響を受けず、庫内のウェイトは常時、40℃でキープされる。

 「これを使い始めてから気温が低いことが原因でのウェイト剥がれはなくなったとか、気温マイナス10℃という極寒の状況でもウェイトがちゃんとくっついたなどと、お客様から高いご評価をいただいています」、三田村さんはこのように実使用者の声を紹介する。

 ウェイトヒーター装置「BH-40」は、同社のホイールバランサー各種に後付けが可能。また、単体でピット内の任意の場所に据え置くこともできる。

商品開発部機器商品開発部の武澤さん
商品開発部機器商品開発部の武澤さん

 商品開発本部機器商品開発部の武澤圭朗さんが紹介するのはブースターエアジャッキ「BAJ」シリーズ。

 ジャッキ本体がコンパクトで軽量。ブースター方式で静音化を実現――このような製品特徴により、ロングセラーを続けてきているのが同社のブースターエアジャッキだ。それをこのほど5年ぶりにフルモデルチェンジした。

 武澤さんによると、新商品の「BAJ」シリーズは「お客様の声をもとに、使いやすさを徹底的に追求して開発しました」という。

 車両のジャッキアップポイントへの設置の際に重要なのは、ジャッキ本体のコンパクト性。135W型で、従来品が本体重量40kgに対し、新商品は32kgと、8kgも軽量化。250型の場合、15kgの軽量化を実現した。

 併せて、本体の寸法も、従来品が590mm×310mmに対し、新商品は500mm×255mm。大幅なコンパクト化を果たした。これらによりジャッキ本体の取り回しが一層スムースとなり、ジャッキアップポイントまでの移動もより容易となった。

同じ135W型でも、新商品(右)と従来品(左)の大きさの違いは歴然
同じ135W型でも、新商品(右)と従来品(左)の大きさの違いは歴然

 また、ジャッキを車体の下に潜り込ませることから、作業の周辺はどうしても暗がりとなり視認性が悪化する。アタッチメントにゴールドメッキを施し光の照射を受けやすくしたり、LED照明装置を搭載(オプション)することで、従来品でもその解決を図っていた。

 それを新商品ではLED照明の照度を大幅にアップ。さらに電源となる電池の消耗を抑えるため1分間で自動的に消灯するオートオフモード、そのタイマー機能を解除する連続照射モードと、プッシュボタン一つでモードの切替を可能にした。

 「エアジャッキの心臓部であるブースターの構造を今回一新しました。上昇速度はベストスピードを維持しながら、従来品に比べさらに15dBもの静音化を実現。深夜の町なかで緊急作業するときでも、周囲への影響を最小限にとどめることができます」と、武澤さんは説明する。

 商品ラインアップは、2段式タイプが超低床モデル「120W」「135W」、低床モデル「150W」「165W」の各2種。1段式タイプが25トンモデル「250」「250S」、30トンモデル「300」「300S」の各2種。


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