タイヤメーカーのトップに聞く今年の重点施策

 景気拡大への期待を背景に、米国を中心とする世界的な株高が続く一方、今後大きな需要増は見込めない国内市場――先行きの不透明感が強まる中でいかに戦略を進めていくか。日本自動車タイヤ協会が1月18日に都内で開いた賀詞交換会で、タイヤメーカーのトップに今後の展望を聞いた。

(左から)池田社長、清水社長、津谷CEO、山石社長、ペリニオ社長、金原社長

ブリヂストン 津谷正明CEO兼会長
 「経営改革のフレームワークを継続しながら、中身を変えていく。事業の重要度や優先度に合わせて動いていきたいと考えている。例えば、これまでのエンジン車やディーゼル車などからEVなどにシフトしようとしているモビリティの変革に対して、認識が変わってきている。ただ、そういった方向性に対して、これからモビリティ社会はどれくらいのスピードで、具体的にどのように変わっていくのかが不透明だ。それも含めて、動向を見ながら施策を打っていく」

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住友ゴム工業 池田育嗣社長
 「昨年はダンロップブランドの買収や英ミッチェルディーバー社の買収、さらにダンロップスポーツの統合など様々な種蒔きができた。今年はそれを実らせ、大事に育てて飛躍させていく。
 タイヤ事業ではミッチェルディーバー社のビジネスの進め方は学ぶことが多く、全世界で上手く活用できる。まだまだ成長の余地は大きく今後が楽しみだ」

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横浜ゴム 山石昌孝社長
 「今年は次の100年に向けた基盤整備を構築し、これからの発展に繋げていきたいと考えている。昨年5月に火災が発生したフィリピン工場は、今年9月末から10月上旬をめどに被災したエリアのうち半分で生産をスタートさせたい。一方、インドでオフハイウェイタイヤの生産増強を計画しており、旺盛な需要に対して応えていく。
 2018年の景気は良いと予測されているが、バブルではないかという不安もあるので、注意しながら事業を展開していく」

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東洋ゴム工業 清水隆史社長
 「東京オートサロンで展示したように、国内市場でも北米市場と同様にピックアップトラックやSUVの勢いが更に増していくと思っている。この分野はTOYO TIRES、NITTOが得意とするところ。特にプレミアムゾーンで我々の強みや特徴を活かし、アピールを強めていく。
 また、今年からTOYO TIRESの社章を一新し、海外のグループ企業を含め社員全員が着用している。われわれ自身がTOYOブランドに対する意識を高め、社員全員のベクトルを合わせていく」

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日本ミシュランタイヤ ポール・ペリニオ社長
 「日本市場は成熟しており、今年はそれほど大きな変化は起きないのではないか。ただ、グローバルの視点では、いくつかの地域で政情不安などのリスクがあり、先行きの不透明感もある。
 その中で、消費財タイヤでは新商品を積極的に上市し、ミシュランの強みを発揮していく。特に商品ミックスの改善を図り、高付加価値商品へのシフトを強めることで、販売店の収益向上を図っていきたい。生産財タイヤについては、ワイドシングルタイヤ『X One』に対する市場の認知度が順調に高まってきており、そのメリットを更に強く訴求していく」

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日本グッドイヤー 金原雄次郎社長
 「国内で17インチ以上のプレミアム商品はこれからも伸びていくため、従来より販売チャネルを拡大していきたい。プレミアム市場に注力する方針はグローバルで掲げているものだが、成長のスピードと生産量を上手くシンクロさせることが重要だ。
 欧米に比べると、国内のブランドポジションは多少見劣りするが、課題は見えてきたので、5年くらいのスパンでブランド力を高めていきたい。またプレミアムゾーンで日系メーカーの新車装着も増やしていきたい」


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