タイヤのネット通販の現状は――公取協が実態調査

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 タイヤ公正取引協議会がまとめたインターネットを通じたタイヤの商取引に関する調査によると、ネット販売を行う事業者数は減少傾向にある一方で、実店舗を持たないウェブ専門事業者が新たに参入していることが分かった。またインターネットでタイヤを購入したことがある消費者は約25%だった。

 タイヤ公正取引協議会(タイヤ公取協)では2000年度よりインターネットにおける市販用の乗用車タイヤに関する取り引き調査を継続的に実施している。今回はウェブサイトでタイヤを販売する事業者やショッピングモールの取り扱い状況を調査した。期間は昨年10月から今年9月まで。

(上)電子商取引事業者数の推移
(下)業態別の事業者数

 それによると、インターネットを通じてタイヤ販売を行っている事業者はピークだった2010年度と比較すると、48社減り133社だった。前回の2014年度の調査時と比べて新規参入が30社、撤退は36社となっている。業態別では実店舗を持つタイヤ専門店が71社と過半数を占めたものの、前回より減少した。一方でウェブ専門の事業者(ウェブショップ)が2社増えた。タイヤ公取協では「店舗販売をメインに通販も行っていた事業者が撤退する傾向が見られる」としている。

 また、今回は新たにアマゾンやヤフーショッピング、楽天といったショッピングモール(電子商店街)の主要5社を対象に、タイヤを販売する事業者数や取り扱いアイテム数の調査も実施した。

 その中で、アマゾンでは1つのアイテムに対して複数の事業者が競合しているため、事業者数そのものは最も多い反面、アイテム数は他のサイトよりも少ない傾向があった。また楽天やヤフーの場合は出品しているアイテム数が他のサイトより多いことも分かった。

 なお、2016年9月には一般消費者1745人に電子商取引によるタイヤの購入経験を聞いた。その結果、25.4%が「経験あり」と回答。前回(2014年)より3.5ポイント増加しており、2010年と比較すると、その割合は3倍以上となった。ただ、総務省の調べによると過去1年間にインターネットから何らかの商品やサービスを購入した消費者は59.7%に達しており、それと比べるとタイヤのネット通販の利用者は低い水準にある。

 これについてタイヤ公取協では「タイヤは他の商品より購入頻度が低く、取り付け作業が必ず発生すること、商品現物が見られないことへの不安などが要因ではないか」と分析している。

 タイヤ公取協では「今後タイヤを店舗ではなくネットで購入する割合は増えてくる」と見込んでおり、法令違反の恐れのある表示を行っている事業者にアドバイスを行うとともに、事前相談の活用を促すことで、取引の適正化を進めていく。


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