加速する海外生産 高性能タイヤの需要増背景に

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カテゴリー: ニュース

 国内タイヤメーカーが海外市場で供給能力を拡大している。ブリヂストンは北米やインドなどで生産増強を進め、住友ゴム工業は欧米の拠点拡大を進める。また横浜ゴムは中国で新車用向けの供給量を引き上げる方針だ。各社はSUV用など高付加価値タイヤの需要増を追い風に、一層生産体制を強化することで競争力を高める。

海外生産比率
国内4社の海外生産比率の推移(2017年は見込み)

 国内は市場の成熟化が進み、今後大きな需要増が見込まれない一方で、海外市場は各社の収益を支える重要な柱となっている。特に販売拡大が続く北米などで注力しているのは、SUVやピックアップトラック用の大口径・高性能タイヤ。汎用品より利益率が高く、低価格を武器に販売を伸ばす新興メーカーと性能面での差別化も図りやすい。北米市場で新車販売台数が頭打ちとの見方もある中、SUVカテゴリーは今後も好調を維持すると見込まれており、数年後の交換需要も期待できる。

 ブリヂストンは乗用車用タイヤの18インチ以上のカテゴリーで、グローバル販売量が年間2割ほど増加する見込みだ。江藤彰洋副社長は「増加分を稼いでいるのは新車向けのビジネスで2、3年先に履き替え需要もある」と話す。

 同社は米ウィルソン工場で生産拡大を進めているほか、先日新たな投資を決めたインドの拠点では、最新の設備を導入して今後の成長が見込まれる新車用タイヤの大径化にも対応する。

住友ゴム工業の池田育嗣社長(8月8日の決算会見で)

 住友ゴムは米国工場の生産能力を2019年末までに現在の2倍の日産1万本に引き上げ、SUV用タイヤの需要に対応する。またトルコや南アフリカの拠点でも生産拡大を進めている。

 同社は北米や欧州に新たに研究開発拠点を設置しており、事業展開のスピードを一層加速させているさなか。さらに中国では湖南工場の供給量を今年末までにゴム量ベースで1割増やす。池田育嗣ぐ社長は「中国市場では環境対応タイヤの拡販でプレゼンスを上げていく」と述べ、今後、販売店網も拡充していく計画を示した。

 横浜ゴムは新車用ビジネスが好調な中国で乗用車用タイヤの生産拡大に取り組む。これまでトラック・バス用タイヤを生産していた蘇州工場のラインを乗用車用にシフトさせており、杭州工場と合わせて消費財タイヤの供給量を2020年末までに現在の約1.4倍となる年間1350万本まで引き上げる。

 東洋ゴム工業は米国工場での増強を昨年完了した。清水隆史社長は「前期は市場ニーズとマッチしていない部分があったが、現在は大型タイヤを中心に工場の稼働率が上がり、品種ミックスが上振れている」と手応えを述べ、SUV向けタイヤで更なるシェアアップを目指す考えを示した。。

 なお、海外生産比率は横浜ゴムが今年初めて50%を超える見込みで、すでに7割以上に達しているブリヂストンを含めて全社で拡大する見通しだ。


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