国内4社の2017年業績 各社が通期予想を上方修正

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カテゴリー: ニュース
4社の決算会見
(左から)ブリヂストンの江藤副社長、住友ゴムの池田社長、横浜ゴムの山石社長、東洋ゴムの清水社長

 タイヤメーカー4社の1~6月期業績が出揃った。タイヤ販売本数は好調だったものの、天然ゴム価格などが低位で推移していた前期から一転、昨年後半からの原材料高が収益を押し下げた。ただ、下期は原材料コストが当初の見込みより軟化することや上期に実施した値上げが浸透するため、全社が通期業績予想を上方修正した。

 今年上期の営業利益段階で原材料価格の影響は、ブリヂストンが△680億円、住友ゴム工業が△221億円、横浜ゴムが△84億円、東洋ゴム工業が△89億円だった。天然ゴムや合成ゴム価格が比較的低位だった前年同期は4社合計で937億円の増益要因となっていたが、今期は合計1074億円がマイナスに働いたかっこうだ。

 一方で、前期は減益要因で大きなウェイトを占めた為替が今期は安定したほか、主に海外で好調だったタイヤ販売が売上げを押し上げた。

4社の決算概要
4社の決算概要

 さらに足元では原材料価格が下落基調にあり、上期に実施した価格改定が浸透する下期は増益が見込まれる。通期予想はブリヂストン、住友ゴム、東洋ゴムが売上高と各利益を上方修正した。横浜ゴムはフィリピン工場の火災の影響により、売上高と純利益を据え置いた。

 住友ゴム工業の池田育嗣社長は「原材料価格は当初予想のマイナス550億円から縮小してきた。ただ、まだまだ原料高と考えているので、その分を販売価格でカバーしていきたい」と話す。

 下期もグローバルでのタイヤ販売は引き続き堅調に推移しそうだ。各社の収益の柱となっている北米市場は新車販売が頭打ちとなっているものの、ブリヂストンの江藤彰洋副社長は「全体の量は落ちているが、SUVの販売台数は強い」としており、「大きなサイクルの中で2016年が需要のピークだった。どこまで影響があるのかは見極める必要があるが、来年以降に波が上向く」としている。

 住友ゴムの北米販売は年間で前年比7%ほど伸びる見込み。また東洋ゴムは上期の販売本数が5%増加した。いずれも市場ニーズが高いSUV向けの高インチタイヤが好調だった。横浜ゴムは上期の北米市場で3%のプラスを確保した。独コンチネンタルとの提携解消で日系カーメーカーのグローバル生産に独自で対応が可能になったことで、米スバル「インプレッサ」へのOE納入を受注したほか、「昨年投入した乗用車用タイヤの新商品の売れ行きが良い」(山石昌孝社長)という。

 また一時期は財政危機の影響で低迷していた欧州市場の需要回復も顕著だ。ブリヂストンは欧州で新車向けの乗用車用タイヤの販売が上期に11%増となり、市販用のトラック・バス用タイヤも14%増えた。

 今年2月に英国の大手タイヤ販売会社を買収した住友ゴムは、欧州の市販用タイヤが年間で約6割伸びる見込みだ。8月から独ハナウ市にテクニカルセンターを稼働させ、商品開発をよりスピーディにすることで競争力を高める。

 横浜ゴムや東洋ゴムはロシアが好調に推移している。横浜ゴムは新車用、市販用ともに販売が拡大しており、上期の販売本数が3割増となった。東洋ゴムは欧州全体の市販タイヤの販売が昨年より2割増えた。特に同社が戦略市場と位置づけるロシアでは、「都市部で人気のSUV用タイヤを中心に、4年前と比較して販売数量が5倍に増えている」(清水隆史社長)。

 一方、国内市場は4月から5月にかけて価格改定前の駆け込み需要がみられたが、年間では前年並みに推移しそうだ。消費財タイヤでは値上げがほぼ浸透したものの、生産財タイヤでどこまでユーザーに理解が進むかが今後の焦点の一つとなりそうだ。


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