住友ゴム工業 限られた需要の中でニーズにいかに応えていくか

 リプレイス市場の現場でマーケットの育成とタイヤの拡販に取り組んできている住友ゴム工業の増田栄一執行役員。販売会社、国内生産財担当トップを経て、今年からタイヤ国内リプレイス営業本部長に就いた。成熟期を迎えた国内市場でいかにマーケットの活性化を図っていくのか――。(自動車タイヤ新聞2016年3月30日号から一部を抜粋し編集しています)

新生ファルケンの浸透を図る

 ――2015年度の国内需要環境について、総括してください。

増田栄一執行役員
住友ゴム工業 増田栄一執行役員

 昨年の需要環境を振り返りますと、自動車と自動車関連業界は総じて良くありませんでした。新車の売れ行きは500万台を辛うじて突破しましたが、中でも軽自動車販売は対前年比2桁減と、実績を大きく割り込みました。このような新車販売実績は早くて半年後、あるいはそれ以降、国内リプレイスタイヤの需要に必ず効いてきます。

 ――昨年はファルケンブランドの取り組みで新たなステージに立ちました。市場の反響など、どのように分析されていますか。

 東京オートサロンにおいて10年ぶりにファルケン単独でブースを出展したほか、5月に千葉でのエアレースへの大会協賛を行いました。そして7月には新生ファルケンに関する記者発表を開催しました。このような活動を通じて、ユーザーの皆様にファルケンの知名度が上がってきていると手応えを感じています。

 「新生」という表現にまさにふさわしく、ファルケンは「新しく」「生まれ変わった」ばかりなのです。ファルケンは欧米市場では高性能なイメージで、ブランドの認知度も高いのですが、日本市場ではまだまだです。

 われわれがダンロップに集中してリソースの投資を行ってきていましたから、ファルケンブランドの浸透やイメージが定着するのはこれからだと考えますそれをお客さまと一緒に育てて行きたいという思いで取り組んでいます。

 ――2016年度をどういう戦略で事業展開していきますか。

 国内のリプレイスタイヤ市場は今後、大きく成長するのではなく、横ばい、あるいは少しずつ減っていく方向にあります。それはクルマの保有台数の推移や少子高齢化という人口動態を見ても明らかです。そのような需要環境の中で、お客さまのニーズに対しどういうタイヤでお応えするのかがこれからの大きなテーマとなってきます。

 われわれとしましては、消費財、生産財ともに、「低燃費プラス長持ち」というタイヤ性能をキーワードに展開していく考えです。
 ラベリング制度の導入後、低燃費タイヤの比率は年々高まってきています。当社の場合、ダンロップブランドの乗用車用夏タイヤの90%を低燃費タイヤが占めるまでに至っています。低燃費性能は当たり前になった中、われわれはそれに加えて、お客さまのニーズの高いロングライフ性能、すなわち長持ちを付加し、市場で展開してきています。

 2016年度は「低燃費プラス長持ち」に、さらにプラスアルファの付加価値を商品ごとにつけて、タイヤ販売店、ユーザーの方々にもそのことがひと目でわかるような施策を展開していきます。

 タイヤの性能について、当社の商品をお取り扱いいただいている方々には良くご理解いただいていますが、一般のお客さまには浸透し切れていないのが現状です。

 そこで2016年度は「低燃費」アイコン、「ロングライフ」アイコンに加えて、「LE MANS(ル・マン)4」では「快適」アイコン、「VEURO(ビューロ)VE303」には「快適」アイコンと「操縦安定」アイコンを付けるなど、商品ごとに性能アイコンを明示し、性能面からの訴求を強ていきます。

 ――米グッドイヤー社とグローバル・アライアンスが解消されたことによって、住友ゴムの国内リプレイスタイヤ販売戦略上で、大きな転換を迫られるようなことがあるのでしょうか。

 われわれ市販用タイヤの営業からすると、アライアンスを結んでいるときも、そしてアライアンスを解消した今もグッドイヤーはコンペティター、つまり競合ブランドです。昔からずっとそうでしたので、このスタンスは変わりありません。

 ――生産財タイヤを取り巻く環境が変化しつつあります。ドライバー不足を背景に、タイヤ業界から輸送業界へのタイヤを通じた提案がこれまでと変わってくるのではないでしょうか。

 生産財には商品力、サービス力、営業力というこの3つの柱が非常に重要であると考えています。

 サービス力という点では、お客さまのタイヤメンテナンスをサポートするタイヤ管理システムなどを組み入れた総合サポートシステムとして「エコスマートプラン」を展開しています。より安全に走行していただけるよう、タイヤのフルメンテナンスサービスをわれわれにお任せいただき、タイヤのコンディションを常にベストな状態で維持できるようにするものです。

 また、生産財の場合、たとえば冬にスタッドレスタイヤを一括で購入すると、月によってタイヤへのお支払いが集中してしまうことがあります。「エコスマートプラン」にはそれをリースのように、1年間トータルのお支払いを月々に平準化するようなプランも、ソリューション事業の一つとしてご提案しています。


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