「ベンチマークになり続ける」ミシュランの2輪車タイヤ戦略

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カテゴリー: 事業戦略, 特集

 仏ミシュランは1月からモーターサイクル用スポーツツーリングタイヤの新商品「MICHELIN Road 5」(ミシュラン・ロード・ファイブ)を各国で順次発売する。グローバルで1回目となるプレスイベントのため来日したアジア地区コマーシャルディレクターのアダム・ストーレイ氏に事業の展望と日本市場の位置付けを聞いた。

高性能スポーツの成長に期待

 ――グローバルでのMC事業の状況は。

アダム・ストーレイ氏
アジア地区コマーシャルディレクターのアダム・ストーレイ氏

 「アジアや南米など新興国では高性能タイヤの拡販に取り組んでおり、スポーツカテゴリーは成長している。成熟市場は右肩上がりではないが、横ばいで推移すると見込んでいる。国や地域によって全く新しいカテゴリーの2輪車が登場したり、サイズバリエーションが変わってくることがある。また特定のセグメントで急激に伸びていくという可能性もある。

 一方、日本市場は以前と比べればマーケットは縮小しているが、ミシュランにとっては今でも重要なマーケットである。2輪車の品質が高く、消費者からの要求も高いのでまだまだ期待している。

 成熟市場の日本が重要なのは、グローバルなタイヤメーカーがあることだ。その中でミシュランの『ロード5』が認められれば、一つの評価基準になる。厳しいユーザーがいる日本でどう評価されるか、それがベンチマークになるだろう」

 ――ライバルに対してミシュランの優位性は。

 「世界では多くのライバルがいるが、あくまでもユーザーにより良い商品を届けること、そのための開発を続けることが我々が取り組むべきことである。他社との比較はできないが、ミシュランの商品に関して言えば、従来品の『ロード4』は世界で140万本以上を販売し、ベンチマークとして認知されている」

 ――日本市場での中期的な展望は。

「MICHELIN Road 5」
「MICHELIN Road 5」

 「ラジアルセグメントでは日本において“基準”であるメーカーでありたい。2017年に『パワーRS』を発売し、今回スポーツツーリングセグメントで『ロード5』を投入する。新商品はより幅広いレンジに対応できるタイヤとして開発した。今後も市場の中でベンチマークとなりうる活動を継続していきたい」

 ――4輪はEVや自動運転などでタイヤが変革するかもしれない。2輪車用タイヤの将来は。

 「2輪車もEV化が進むかもしれないが、ミシュラングループにとっては4輪でも2輪でも車両をどうタイヤで活かすか、いかにパフォーマンスが発揮できるタイヤを開発するかと考えている。その車両にどういう特性があるのか、ユーザーがどういう走りをするのかに基づき、ベストパフォーマンスを提供できるタイヤを開発していくことが重要だ。

 既にホイールローダーや農機用タイヤとしてリリースしているエアレスタイヤ『トゥイール』を2輪車用に応用する可能性はある。ただ、2輪車の場合は乗り心地やノイズがよりセンシティブであり、完成度を更に高めることが必要だ」

関連:【ミシュラン】スポーツツーリング「MICHELIN Road 5」試乗会開催


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