今回の試乗は常磐道とつくば学園都市内がステージ。瀬在さんがハンドルを握り実走し、新商品の感応評価を行ってもらった。
 評価に使用した「FALKEN ZIEX ZE914F」のタイヤサイズは195/65R15 91H(転がり抵抗等級「A」、ウェットグリップ等級「b」)。これをトヨタのコンパクト・ステーションワゴン「カローラフィールダー」(2代目)に装着し走行した。

走りの滑らかさ

 「ZIEX ZE914F」を履いて、まず感じたのは「真円性」が高いタイヤだなということ。最初のけり出しが非常に良い。高速道路で路面が荒れていない所の走りはとくに滑らか。音も静か。
 ただ、高速道路の継ぎ目など大きなショックを乗り越えたときに発生する空洞共鳴音は出ています。それから良い舗装路にうねりがあるときも。コンパウンドやパターンのピッチバリエーション、タイヤ全体の剛性でうまくバランスをとっているので気になるレベルではありません。
 これはタイヤの「真円性」が高いために、継ぎ目やうねりを拾ってしまうからではないでしょうか。ただ、それは路面の情報をタイヤが正確に捉えているからと、良いほうに解釈することもできますね。

応答性に“しまり”

 乗り心地にも同じことが言えると思います。荒れた路面で上下動を感じますが、収まりは早い。適度に硬さを感じますが、決してカドがあるわけではない。大きな入力があったときにタイヤがたわむことでショックを減衰してくれています。
 高速走行中のコーナーリングですが、このタイヤは良く踏ん張りますね。しっかり感が表れています。
 左右非対称パターンのアウトサイド部が路面と密着していますし、ロールに無駄な動きがありません。コーナーでタイヤがきちんとたわんでリニアな挙動をクルマに伝えてくれます。コンフォートタイヤでありながら、なかなかのスポーティ性を備えていると思いますよ。
 微小蛇角でレーンチェンジしたときの応答性にも“しまり”がありますね。スッキリとした顔立ちのトレッドパターン、周方向のリブの配置、剛性の高い構造が高速走行中の操縦安定性を高めてくれているのでしょう。

クセのない仕上がり

 欧米の大排気量・大大荷重のクルマの場合、このタイヤがどこまでロールを抑えられるのかはわかりませんが、カローラフィールダーのような、一般的な国産車は充分、安心して走らせることができますね。
 この2代目カローラフィールダーはヴィッツ系のプラットホームになる前で、スポーツ走行を楽しむことができますが、その運動性能にこのタイヤは対応できています。
 全体のバランスがとれていますから、日常生活で使用するときにクセがなく、ストレスを溜めにくいと思います。
 運転していて安定していますし、同乗者とはゆったりと会話することができる、後部座席に乗った人には突き上げが少ない。ひとことで表すとしたら、車歴の長いクルマの走りをタイヤが若返らせてくれる――そんな良さがこのタイヤにはありますね。