モータースポーツと環境技術の融合

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カテゴリー: コラム

 タイヤの環境性能と華やかなモータースポーツ――一見すると相反する性質を印象づける2つの要素は技術によって結びつく。ブリヂストンの企業博物館「ブリヂストンTODAY」(東京都小平市)で開催された「モータースポーツ特別展」を通じて同社のこうした取り組みを肌で感じることができた。

 特別展の期間中、SUPER GTとインディカーシリーズの車両や今年までワンメイクタイヤを供給していたスーパーフォーミュラのテスト車両、歴代のポテンザと当時のCMも展示された。

 今回注目すべき展示は、館内のスクリーンで紹介されていたブリヂストン・ワールドソーラーカー・チャレンジを含めた同社の活動だ。このソーラーカーに使用されているのが2013年にブリヂストンが発表した、独自規格の次世代低燃費タイヤ「Ecopia with ologic」だ。

 レース中、3000kmにおよぶ距離を走行する必要があるソーラーカーにとって、タイヤの低燃費化は重要な課題といえる。足元を支えるタイヤは、今までのタイヤの常識を覆す狭幅・大径の独特の形状を持つ。従来の一般的なタイヤ(175/65R15)に比べ、19インチという大径と高内圧でタイヤの変形を防ぐことで転がり抵抗を約30%軽減。さらに狭幅によって走行中にタイヤが受ける空気抵抗を3.7%低減させながら、イン・アウトの専用パターンデザインによる高いウェットグリップ性能を持つ。

 このタイヤには、実は今回展示されているモータースポーツで長年培われたタイヤ技術が多数用いられている。

 30cm以上の幅を持つモータースポーツタイヤと、ノーマルタイヤよりも狭幅である「Ecopia with ologic」は一見相反するように思われるが、両者には「転がり抵抗を少なくしながらグリップ性能を向上する」という共通のコンセプトがある。

 今までにない低燃費タイヤの開発を目指し、モータースポーツタイヤの開発者と、スピードと運転技術の極限に挑戦するタイヤのために生み出されたシミュレート&計測技術「アルティメット・アイ」によって、環境性能と走行性、低燃費を兼ね備えたタイヤが誕生した。

 今回の展示を通じて、時速300kmを超すスピードを競うための開発技術が、高い環境性能を持つタイヤの開発と、二酸化炭素排出量の削減という環境の保護につながっていることを体感させてくれる。

 副館長の遠藤俊行氏は、「モータースポーツによって取得したさまざまなデータを、タイヤを通して社会に還元していくことで、環境保護にも繋がっていく」と話していた

 同展示館はブリヂストンの開発の中心である技術センターに併設されている。広く一般からも無料で来訪者を受け入れ、見学者数は延べ19万人になる。


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